2010年6月16日水曜日

高千穂 神楽 【4】



14番・山森で、夜神楽の前に贄にした猪の象徴である、獅子を伴う山神が出た後は、能面をつけた舞いになる。15番・袖花・16番・本花で、天鈿女命が登場。赤い長布をスカーフにように頭に巻いて髪の毛に模し、白衣を着た女面である。これは、20番の御神体でのイザナギ・イザナミ二神による酒造りの舞の、酔ったイザナミのオカメ顔と全く違い、瓜実顔の美人面である。(住吉の岸うつ波に苔はえて、松は見事にあらわれにけり)

24番・手力雄が岩戸を探し当てた後、彼の袖の影に隠れて見えない場所にいた25番の舞い手の鈿女が瞬時に入れ替わって舞う。鈿女は、腰を落とさない直立に近い姿勢のまま、小股でゆっくり旋回して女を表現。左手に笹葉に模した木の枝を、剣のつかのように立てて握り、右手に持つ幣をつけた五十鈴で、剣を水平に突き刺す動作を行う。(日向なる逢初川のはたにこそ、宿世結びの神ぞまします)

26番・戸取りで手力雄が再登場して岩戸を持ち上げて投げ飛ばし、27番・舞開で岩戸の中にあった太陽と月を象徴する鏡を両手に持って舞う。天照に相当するのは鏡であり。それは神=舞い手としては最後まで登場しない。28番の日の前、天児屋命、猿田彦命、思兼命、天鈿女命が祝福し、29番で大神が登場する。大神はアマテラスでなく、男性の海神、大わだつみの神である。

夜が明けて、30番・御柴からは、麦わら船のマストを象った外注連の高木の周りを舞い、33番・雲下ろしで神霊が降臨する。(高千穂の天の香具山榊葉を、その日の注連に掛けて舞うらん)

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